出店者様向け|飲食店と物販店の内装工事コストの違いについて
基礎知識皆様こんにちは!
店舗デザイン設計会社のマティータです。
今回は飲食店と物販店の内装工事にかかるコストの違いについてお話ししたいと思います。
「飲食店と物販店は内装工事費用はどちらが掛かるの?」
なんて考えた事があると思いますが先に結論を言っておきます。
「飲食店の方が掛かります」
ただ内装工事コストと言うのはデザインや仕上材のグレードによって大幅に違いますので、今回は飲食店、物販店どちらも同等のグレードにする前提でお話ししていきます。
また店舗規模も概ね50坪くらいの店舗で、物販店に関しては食物販店ではなく雑貨やアパレルなどの物販店として設定させて頂きます。
それでは何故飲食店の方がコストが掛かるのかを、工事内容別に今からお話ししていきますので最後までお付き合い下さい。
■目次■
1_造作工事:壁・天井・造作物など 2_仕上げ工事:床・壁・天井の仕上げなど 3_什器家具工事:椅子・テーブル・商品陳列棚など 4_設備工事:電気・空調換気・給排水ガス・厨房機器など 5_まとめ |
1_造作工事:壁・天井・造作物など
まず造作工事ですが、天井はどちらもさほど変わらず、造作はデザイン次第なのでこちらもトントンと考えて良いかと思います。
続いて壁についてですが考えられる部屋としては
・飲食店:個室・厨房・トイレ・バックルーム
・物販店:フィッティング・トイレ・バックルーム |
こんな内容かと思いますが、どちらもさほど変わらないですね。
「造作については飲食も物販もそんなに変わらない?」
これについて大きく変わるのは1点だけ、飲食店の厨房床の防水工事です。しかも防水工事は費用がそこそこ掛かりますので飲食店としてはこれが大きいですね。
ですので防水工事が発生した場合はその分飲食店の方がコストが掛かります。
2_仕上げ工事:床・壁・天井の仕上げなど
続いては仕上げ工事です。
こちらは仕上げグレードが同じならばそんなに変わりません。
但し仮に最低グレードの仕上材を使用した場合に、飲食店の厨房だけはどうしても水に強い素材を使用しなければならないため少しコストが上がります。
ですので単純に比較した場合でもやはり飲食店の方がコストが掛かりそうですね。
3_什器家具工事:椅子・テーブル・商品陳列棚など
続いては什器家具工事です。
これについては物販店の方がコストが掛かります。
飲食店はテーブル、椅子、レジ台などで、それぞれの単価も物販店の陳列台と比べると低いです。
物販店は商品陳列台や壁面棚など数量も多く必要ですし、商品を陳列するための棚やフック・ハンガーなどのパーツの数量が非常に多くお金がかかります。
ですので什器家具工事に関しては物販店の方が数量が多く、どうしてもコストが掛かってしまいます。
4_設備工事:電気・空調換気・給排水ガス・厨房機器など
続いては設備工事ですね。
設備工事については圧倒的に飲食店の方がコストが掛かります。
物販店でも一通り各設備は必要で工事が発生しますが、飲食店の設備工事は物販店とは比べものにならないくらいの工事内容です。
・電気工事:照明はさほど変わらないがコンセントは厨房機器の関係で飲食店の方が多い
・空調換気:空調能力も熱機器があるのと人の滞留時間の関係で飲食の方が多く必要で、飲食には厨房排気もある ・給排水ガス:厨房のある飲食店の方が圧倒的に多い。物販店はトイレと流し台程度 |
このように厨房がある飲食店では設備工事ボリュームが大きく違います。またこれ以外に厨房機器も必要となってきます。
ですので「物販店より飲食店の方が工事費用掛かる理由は設備工事」と言っても間違いないくらい設備工事は飲食店の方が掛かります。
5_まとめ
最後はまとめです。
・飲食店には防水工事が必要
・飲食店の厨房の仕上げ材は水に強い物を使用するため、少しコストアップする ・什器家具工事は物販店の方がコストが掛かる ・設備工事は厨房のある飲食店の方が圧倒的にコストが掛かる |
以上です。やはり大きいのは設備工事ですね。厨房設備が必要な飲食店は物販店に比べてどうしてもコストが掛かります。ましてや設備工事は専門技術が必要でDIYで対応しようと思っても無理です。ですので飲食店の出店を考えられている方は少しでも設備工事の費用が抑えられる物件を探す事が最初の一歩だと思います。そして計画段階でも専門家と相談しながら少しずつでもコストを抑えていく努力をしていきましょう。
是非参考にしてみてください。
以上です。
最後までお付き合い頂きありがとうございます