店舗デザイン基礎知識|ファサードの考え方は難しい

基礎知識

皆様こんにちは!

店舗デザイン設計会社のマティータです。

今回はファサードについてお話ししたいと思います

ちなみに「ファサードとは建築物(お店)の正面部分のデザイン」であり、お店の顔と言われていますね。通常ですと1面ですが、交差点の角地にある建物は2面になる場合があります。

今回はお店の顔となりとても重要なファサードデザインの考え方についてお話ししていきたいのですが、

ファサードデザインはとても難しい

ドラマやアニメで例えると「主人公の顔決めて」と言っているようなもの、男or女、若いor高齢、日本人or欧米人、目の大きさ、鼻の高さ、などなど色々考えられるしどれも間違ってはいません。ですので重要なデザインで検討に検討を重ねて決めていかなければならないのですが、その考え方をどのように行なっていくか!お話ししていきたいと思います。

また今回のお話は以前描いた記事「看板計画の進め方教えます」の考え方に似ていますので、こちらも合わせてご覧頂ければと思います。

■目次■

1_まずはブランドコンセプト

2_視認性についてどう考えるか

3_入りやすさの検討

4_サインとのバランス

5_まとめ

1_まずはブランドコンセプト

まず始めに考えるのはブランドコンセプトですね。

「私は20代女性で日本人です。ショートカットで目はパッチリしています」

「私は40代男性でアメリカ人です。金髪で鼻が高いです」

など、「自分のお店はこういうお店です」というコンセプトをしっかりと決めましょう。

お店づくりを行う上では、コンセプトをしっかりと決めこのコンセプトを軸に色々なデザインを検討していかないとブレが発生し、バラバラでまとまりのないお店になってしまいます。ですのでファサードデザインもコンセプトをしっかりと頭に入れ検討していく必要があります。

「40代男性だから落ち着きのある服がいいな」

「20代女性だから派手めで可愛い感じの服で」

など、色々なデザインを考えていけると思います。これをファサードデザインの要素として検討していきます。

またこれ以外にもう1点考えた方が良い事としてはお店のビジョンですね。

「この1店舗にしっかりと集中して大成功させるぞ」

「このお店がある程度成功したら2店舗3店舗とお店を増やしていきたいな」

など、今後お店をどのように展開していくかによってデザインを検討した方が良いと思います。

例えば1店舗だけでの展開であればデザインは、新店時・改装時にコンセプトを基に決めていけば良いと思います。ただ複数店舗チェーン展開を考えていくのであれば何かシンボルとなる個性的なものを取り入れていく方法も検討した方が良いですね。これは看板デザインとも絡みますが、マクドナルドの『Mマーク」やセブンイレブンの「7」などがそうですね。色々な地域に出店しても、そのシンボルだけ見ればそのお店がわかる→顔を覚えてもらえるという事になり、これは営業面でかなりのプラスです。

ですのでファサードデザインのまとめ方は、コンセプトを基にお店のビジョンを加えてデザインを構成していく事がとても大切です。

2_視認性についてどう考えるか

続いては視認性についてお話ししたいと思います。

お店をとにかく目立たせたい予約客多いから目立たなくても良いからデザインを重視したい、など色々考えがあるかと思います。

『デザイン性と視認性どっちを重視するの?」悩ましいですね。

これは立地・まわりの環境によっても変わってくるので一概には言えませんが、基本的な考え方は

「視認性も意識しつつデザイン重視」

これで良いかと思います。ファサードはやはりデザインが大事です。宣伝の必要のないお店もありますし、昔と違って現代は足でお店を探す時代ではありませんスマホひとつで近くの名店を探せます。視認・宣伝はファサード以外に設置する看板に任せる!これが理想です。

3_入りやすさの検討

続いては入りやすさについて考えてみましょう。

これは基本的に入りやすいお店の方が良いと思います。

<入りやすいお店>

・ファサードがガラスサッシで店内が良く見える

・店内と入り口周りが明るい

・割とカジュアルな素材を使っている

・オープン店舗

このような内容が一般的には言われていますね。治安の良い日本はオープン店舗が多く日本人はドアを開けずに入れるお店に慣れています。また明るさについてもいわゆるサバンナ効果といわれるもので、人は明るい方へは足が進みます。こういう日本人の習慣や人間の心理面からも入りやすい店舗の方がお勧めです。営業的にも良いですね。

ただここでも重要なのがコンセプトです。これはコンセプトと違うと思ったらコンセプトを重視したデザインで良いと思います。それが仮にクローズ化した店舗でも、先述した通り現代はスマホで調べてから来店する例も多いので、その際に店内風景や価格などもチェックしています。ですので入店にそこまで抵抗はありませんので、コンセプト崩してまでオープン化に変える必要はないと思います。

結論としてまずはしっかりとコンセプトを捉えたデザインにする!そしてそれが入りやすいデザインであればなお良し!という考えで検討してみて下さい。

4_サインとのバランス

続いてはファサードデザインには必ず存在するサインとのバランスですね。

実際には隠れ家的なお店などサインの無いお店もあります。ですので絶対的に必要なものでは無いのですが、サインも含めたデザイン構成にしている例は多いですね。

またサインの種類も

・店名となっているロゴサイン

・キャッチフレーズ的な存在のサブタイトル

・ビジュアル的に見せるグラフィックサイン

など、色々あります。

このようなサインを取り付ける際のファサードデザインの考え方ですが

主役はサイン

こう考えて良いと思います。サインというのはとても大切なもので、一番個性が表現されるものです。ですのでその個性を引き立たせる背景はどのようなデザインにするのか?と、考えてまとめていく事がとても大切です。全てが主役で主張し合ってしまってはいけません。サインを中心にファサード全体を考えていければ素晴らしいデザインが出来上がります。ぜひこの考え方を覚えておいて下さい。

5_まとめ

最後はまとめです。

・ブランドコンセプトをしっかりと決める

・お店のビジョンを捉えてデザインに反映する

・視認性よりデザイン重視

・入りやすさはお店にとって有利になる

・サインを主役にデザインをまとめていく

以上がまとめです。ただ冒頭に伝えた通りファサードデザインは難しいです。この考え方も一例であり、これ以外にも色々な考え方があると思います。

ですので自分の思いを込めて一生懸命考えて悔いのないようにつくりましょう。

そして地域の一員になり、顔になり、愛されるお店になりましょう!

是非参考にしてみてください。

以上です。

最後までお付き合い頂きありがとうございます