出店者様向け|飲食店出店の物件チェックポイントまとめ
基礎知識皆様こんにちは!
店舗デザイン設計会社のマティータです。
今回は飲食店を出店する際の物件視察においてどのような事をチェックしておいたほうが良いかについてお話ししたいと思います。
「せっかくの好立地なのに設備が足らないのか」
「インフラ揃えるのにこんなに予算かかるの?」
など、せっかく見つけた良い物件でも条件が悪いと、ものすごくお金が掛かったり、最悪のケースでは飲食店での出店は無理ということにもなりかねません。
ですので初期の段階で飲食店に適している物件なのかどうかを確認する必要がありますので、今回はどこを確認したほうが良いかをお話しいたします。
なお今回のお話はあくまでお店の内装設備に関わるお話ですので、営業面やマーケティング視点ではありませんのでご了承願います。
■目次■
1_まずは設備チェックをしよう 2_厨房排気のダクト配管経路は? 3_防水処理の必要性について確認 4_これは初期段階で出店見直しレベルです 5_まとめ |
1_まずは設備チェックをしよう
まず最初にチェックするのは設備ですね。
これは飲食店だけではなくどんな業種でも必要ですので初期の段階で必ず確認しましょう。
[チェックポイント]
・電気:電気容量はいくつあるか・電灯と動力が両方あるか・電話はあるか ・空調換気:室外機置場の位置はどこか・給排気用の外壁開口があるか ・給排水ガス:給水とガスのサイズはいくつか・排水の位置はどこか |
<電気について>
まず電気容量についてですが、「今度作る飲食店でどれくらいの容量が必要か?」というのは、計画してみないと概算程度でしかわからないので、この段階では容量がどれくらいあるのか、又は何アンペアのブレーカーがついているのか程度を確認し以降の詳細確認は専門家へ任せれば良いと思います。また電灯動力が両方あるかどうかについては、目視又は不動産業者へ確認する程度で良いかと思います。以降は容量同様に専門家へお願いで良いと思います。あと電話の内容確認もしておきましょう。
<空調換気について>
まず空調について初期で確認しておくべきポイントは室外機の置場ぐらいで良いかと思います。室内機の位置は計画で決定、あと室外機~室内機の配管などの話もありますが、その辺りは専門家へお願いで良いと思います。あと給排気用の外壁開口ですが、目視して確認又は不動産業者へ確認する程度は初期でしておいたほうが良いと思います。あとはその後の専門家調査でOKです。
<給排水ガスについて>
まず始めに行うのは水回りというのは区画によっては無い場合がありますので、給水・排水・ガスがあるかどうかの確認が必要です。そこで入っていればサイズなどをわかる範囲で確認しましょう。また排水位置は重要です。排水位置によって厨房やトイレの位置がほぼ決まってしまいます。ですので頭で描いていたお店と全く違うイメージになってしまうのならば、ここで出店見直しを検討しなければなりませんので必ず排水は確認しましょう。また詳細については他の設備同様に専門家に確認してもらえれば良いかと思います。
以上が主な設備チェック内容です。
設備について色々と「これをチェックしましょう」という書き方をしてきましたが、実際に見てもわからないという事も多々あるかと思いますので、あくまでわかる範囲で確認し後は専門家に調査を依頼するという考えで良いかと思います。
またこれ以外にも消防設備もありますが、これは専門家でないと難しいと思いますので、不動産業者に「消防設備は何か特別なことはありますか」という確認程度で、あとは専門家に任せてしまいましょう。
2_厨房排気のダクト配管経路は?
続いては厨房設備の外部のダクト経路についてお話ししたいと思います。
飲食店を運営するにあたり注意しなければならない重要な事の一つ『近隣への配慮』に、この厨房排気は関わってきます。業種にもよりますが、厨房排気は原則匂いが出ますし、油煙なので使っているうちにダクトは油汚れが発生します。ですのでこの匂いと汚れで近隣に迷惑かけないように計画しなければなりません。それをきちんと行えるかどうかを初期の段階で確認しておくことが重要です。皆様も1階の飲食店から外壁を伝って屋上までダクトを上げている例を見たことがあるのではないでしょうか。あれは近隣に迷惑かけないように行っている対策なのです。飲食店をやるからには近隣の方はお客様になる可能性が高いため、トラブルにならないように充分に配慮する必要があります。ですので対策が可能かどうかは初期の段階で確認し、建築主さんも交えて相談し最終どのようにするかは慎重に決定しましょう。
3_防水処理の必要性について確認
続いては防水処理の必要性についてお話ししたいと思います。防水の必要性については物件の状況だけではなく、自分たちがどのように使うのかによっても必要性が変わってくるので、表題の主旨とは少しずれますが、建築主によっては「厨房は絶対に防水処理を行う事」という条件を出してくる方もいますので、まず建築主の条件を確認し、そこをクリアしたらあとは物件の条件・厨房の使い方によって防水を行うかどうかは決定いたしましょう。原則は下階にテナントがある場合は防水を行うことをお勧めしますが、コストも掛かりますので自己管理の徹底が出来るのであればドライ仕様でも良いかと思います。但し万が一事故が起きた場合は下階への責任は取らなければなりません。
4_これは初期段階で出店見直しレベルです
続いてはこういう状況だったら出店を見直したほうが良いというお話しです。
これについては色々な事が考えられますね。例えば
・電気容量が全然足りない
・給排水ガス設備が無い ・厨房排気は屋上まで上げなければならない |
など、まさに今までお話ししてきた内容がNGだった場合という事ですね。
この場合は出店を見直しするべきか?
いやもう少し検討しましょう。
検討するのにポイントとなるのがやはり工事コストかと思いますが、では実際にいくら掛かるのか?それを専門家に出してもらってからでも遅くはありません。
ですので
・電気容量が全然足りない→屋上のキュービクルから引き直さないと駄目なので数百万円掛かります
・給排水ガス設備が無い→新たに引き込んで配管しないと駄目なので数百万円掛かります ・厨房排気は屋上まで上げなければならない→屋上まで足場組んで配管しないと駄目なので数百万円掛かります |
などなど
工事コストが莫大に掛かり、この金額を回収出来る見込みが無い場合は出店を見直した方が良いかと思います。
ですので一度専門家へ相談するという事が大事ですね。意外と安く上がる可能性もありますしね。覚えておいて下さい。
5_まとめ
最後はまとめです。
・設備の有無や容量はわかる範囲で確認し、後日専門家へ調査を依頼する。
・厨房排気ルートは慎重に検討し、近隣へは絶対に迷惑かけない。 ・防水は下階への責任を頭に入れた上で最終判断する ・条件悪い場合は専門家に工事コストを算出してもらい最終出店判断をする |
このような感じでしょうか。
まずは自分で物件を見てみて、当然わからない事があると思いますのでその際はすぐ専門家へ声をかける事が大事ですね。
そして色々な物件を見て、
是非参考にしてみてください。
以上です。
最後までお付き合い頂きありがとうございます